Scarra氏のプレシーズン考察-アサシンリワークの全10チャンピオンの現状について
先週公開されたScarra氏のプレシーズン考察動画の前半部分を日本語で紹介します。リワークの入ったアサシンチャンプすべてについて解説されていて面白い内容だと思いますので、ぜひ読んでみてください。
※本エントリはこちらの元の動画の前半部分の要約です。
※ブログ記事にするにあたり適宜編集(小見出しの追加、省略、話の順序替えなど)しています。要約のスタンスとして、厳密な正確さよりも記事としての読みやすさを優先しているためです。正確性が気になる方は元の動画を参照ください。
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Scarra氏のプレシーズン考察-アサシンリワークの全10チャンピオンの現状について
※ここから動画内容の日本語での要約です
0.はじめに
プレシーズンについてリスナーの皆からたくさんの質問をもらったけど、ひとつひとつの質問に回答するのではなくて、パッチの内容について総括して解説しよう。僕もこの1週間で大体30-40ゲームはプレイしたので、パッチとそのメタについては十分理解しているつもりだ。
アサシンリワークの全てのチャンプについて話した後に、アサシンクラス全体について考察しよう。それからアサシン以外でも今後要検討だったり、強化や弱体が必要だったり、削除したりしたほうが良いと思う別の箇所について話そう。
※本ブログエントリは動画前半部分の全てのチャンプについて話している部分のみの要約です
1. タロン/Talon
タロンのリワークは最高の出来だと思う。総じてタロンは非常に良いチャンプになり、忍び寄る暗殺者としてのプレイを楽しむことができる、まさに理想のアサシンになった。
一般的なハラスコンボはWが両方当たったら、Qで飛びつき、AAでPassiveも発動させるというものだが、これで50-60%ものHPを削ることができて、その後さらにULTで追い打ちもできる。僕もタロンをプレイしてみて非常に強い印象を受けた。
Fakerが「CDR靴、ゴースト/フラッシュ、妖夢、ダスクブレード、クリーバー」のようなビルドにしているのを見たが、これはタロンの高い機動性とゴーストを組みあわせて、妖夢も活かしてマップ上をロームして駆け回り、敵のバックラインを消しさることができるからだ。
総じてタロンは楽しくプレイできて、以前よりもずっと魅力的になりピックしやすいチャンプになった。ラストヒットを取るだけで自己回復するサステインも嬉しい。僕としては現状のタロンのプレイスタイルが維持されることを望む。
もしタロンがOPと判断されて、何らかの弱体を加える必要が生じたとすれば、リープのベースクールダウンを弱体するのがベストかと思う。次々と壁越えできるのはタロンプレイヤーとしては嬉しいが、レベル1から可能なのは健全ではないだろう。
2. カタリナ/Katarina
カタリナはすごく楽しいチャンピオンになったと思う。「敵チームはカタリナの動きを見抜いてダメージを回避できるかどうか」というミニゲームのようなもので、このミニゲームがカタリナプレイヤーとしては非常に楽しく感じられるし、ゲームプレイとしても理想的なものだろう。
しかし、カタリナの問題はミニオン処理能力を失ってしまったことだ。特に序盤のレベル1-2でミニオン処理が十分にできない場合、カタリナは不利な状況になってしまう。
相変わらずレーニングが弱く、レベル3以降も優れたものではない。例えばレベル2のときに、QとWスキルを使ったとしよう。Qスキルのバウンス回数が減りベースダメージも低くなった。WスキルをAAの代わりに使って、ラストヒットを取ることも今はできなくなってしまった。タワー下まで押し込まれてプレッシャーをかけられると、カタリナはCSを取ることさえも難しくなってしまう。
この点が何らかの形で解決されれば話は変わってくるのだが、現状ではカタリナは過大評価されていると思う。カタリナは以前と同様の問題を抱えていて、リワークは楽しく良い出来だが、強さという点では総合的に見て何かが足りていない。恐ろしいほどにスノーボール性が高く、CDがフルリセットする仕組みのため、カタリナのバランス調整は非常に難しい。
アイテムはリライかルーデンエコーのどちらから組んでも良くて、リライのHPとスローが必要かどうかで判断すればよい。ビルドパスは柔軟で、ガンブレードを組む人も見かけたが、これはスノーボール性が高いものだ。従来のビルドも悪くないが、今はリライが最も効果的で、機動性も活かして敵を追撃することができる。
カタリナの仕様は面白く、僕自身も楽しんでいるのだが、ウェーブ処理能力も低いなど以前のカタリナと同様の弱みがある。ウェーブ処理のためには、Qのダガーにジャンプして、Wのダガーも当ててダブルスピンを後方のミニオンに当てないといけないのだが、ちゃんとハラスしてくる対面が居る状況ではリスクが高い行動だ。
プレイしていて楽しいという意味では、リワーク自体は良い出来だと思うが、カタリナは今後もあまりピックされることはないだろう。
3. ルブラン/Leblanc
次にルブランの話をしよう。ルブランはプレイスタイルが大きく変わった。
以前のルブランは後方にダイヴして、耐久力の低いチャンプをワンショットでキルするチャンプだった。ルブランがメタのときといえば、Fakerがルブランをピックして、FakerのW>Q>R>Eで敵チームのザイラが瞬殺される。それが僕の持っている以前のルブランに対しての印象で、カウンタープレイはほとんどなく、敵の後方をキルすることが非常に得意なチャンピオンだった。
新しくなったルブランは、レーンが圧倒的な強さになっている。レベル2でQQWで後方ミニオンをレベル2ですべて処理できるのは異常な強さだ。序盤からウェーブ処理に優れたチャンピオンは、(初期の)タリヤやオレリオンソルのように常に問題になる。序盤にレーンプレッシャーを作ることができるチャンピオンは純粋に強いのである。少なくとも、ミニオン処理はレーンでは非常に大事な要素だ。
キルプレッシャーも高く、チェインが当たりさえすればそのままPassiveが発動する。敵のHPが60%のときに、Wで切り込んでEのチェインを当ててイグナイトを使えば、敵をキルすることができるだろう。
今回のリワークでルブランのダメージはPassiveに集約された。Early-Midゲームは非常に強く、おそらくゲーム中で最強クラスだ。このトレードオフとして、ルブランは後方キラーとしての役割を失ってしまったことだ。Passiveを発動させるために、ADCなどの敵キャリーの横に2秒間もいたら、攻撃されてルブランのHPバーは消えてなくなるだろう。
新ルブランは前方キラーになったと思う。チームファイトではまず前方をキルしてから、後方のキルを狙っていく。これは旧ルブランとはまったく違う立ち回りだ。
この点から、ルブランのLateゲームは弱体化されたと多くの人に評価されている。前方キラーのカテゴリーでは、ルブランよりもライズのほうがずっと優秀だ。ルブランのプレイパターンは変わった。ハラスのコンボの順序や立ち回りもまったく別のものになった。
ルブランは今回のリワークでもっとも変貌したチャンプだ。そのため、ルブランプレイヤーは初日には「ルブランはごみだ」と言うが、次の日には新ルブランの強みを理解して意見をころっと変えて「ルブランは強すぎる」と言ったりしている。
おそらくルブランは今最も強いアサシンだ。現行の仕様のままで弱体されたりしなければ、きっとプロシーンでもピックされるだろう。
4. レンガー/Rengar
レンガーはアニメーションの出来が悪く、ビジュアルを見ても何をしているのか分からないのが問題だと思う。
前方に飛びかかるようなQのアニメーションと、切りつけるようなAAアニメーションとは非常にぎこちなく、ビジュアルからはまるでレンガーがAAを空振りしているように見えてしまう。レンガーにキルされたとき、何が原因だったのかよく分からない。
レンガーを自分でプレイするにも、敵として対峙するにしても、ぎこちなく奇妙に見える。
現行レンガーは強すぎると思う。僕自身はレンガーはあまりプレイしていないけど、話は人づてに聞いている。多くの人がレンガーは非常に強いと言っていて、僕もその通りなのだろうと思っている。これは、Ferocityの溜まりが早すぎて、強化スキルを何度も使うことができるためだ。戦闘中にスキルを連打していれば、2回はFerocity付きの強化攻撃をできるだろう。
ビジュアル面でもレンガーを相手にするのは大変だ。新レンガーのオラフULTのようなCC無効スキルは見た目からは分からない。オラフは巨大化して赤く光るので、CCが効かないことは見た目から分かる。レンガーはたしか雄叫びだったか、多少の動作はあったと思うが、僕としては実に分かりにくく感じる。
レンガーを見て「CC無効状態になった!」と特定の状態がはっきり分かるのであれば良いのだが、現状はレンガーが何度も雄叫びだか何かをしていて、これが見た目から分からずCC無効状態のレンガーにCCスキルを使って失敗してしまうとなると、僕としては実に面白くない。
5. フィズ/Fizz
新フィズの良し悪しが大きく変わったのかは僕にもまだ良くわからないけど、以前より良くなっているのだと思う。バカバカしい根拠なのだが、ULTの当たり判定がすごいからだ。
みんなはフィズのリワークのビデオを見ただろうか?新フィズのULTは最初は小さく、次第に大きくなる。そしてこのULTの移動距離に応じて、ダメージと当たり判定が大きくなっていくのだ。ところがこの当たり判定が実に分かりづらい。しかもスキンによっては、ニンジンを投げてきたり、UFOだったり、サメだったりして、それぞれ大きさが違うように見えてしまい、当たるのか外れるのか判別できない。そもそも当たり判定が大きすぎるとも思う。
Wスキルの仕組みが変わりダメージが上がったことについては、これが好ましいことかは僕もよく分からないが、僕の理解としては、これによりフィズのダメージアウトプットが間隔の空いたものになり、継続ダメージを出していく必要があるようになった。
6. カジックス/Khazi'x
カジックスは今回のリワークの真の勝者だと思う。
進化について深入りする気はない。僕もどの進化がベストなのかは分からないし、プレイヤー達の間では「それぞれの進化に可能性があり、あるタイミングで、これこれの状況下でこの進化が良い」みたいに今も議論されているようだ。
僕自身はこの詳細について語るほどにカジックスをやり込んでいるわけではないが、敵としてであればカジックスとは何度も当たった。
環境の変化がすべてカジックスにプラスに働き、カジックスより高いTierのジャングラーになった。例えば中立バフモンスターの周囲の小クリープがなくなったおかげで、カジックスはバフを狩りやすくなったことがあげられる。Tierリストでの元々のカジックスの位置づけはよく知らないが、ジャングルの変更のおかげでカジックスは大きく強化されて、一気にTierが1つ繰り上がったと見ていいだろう。
Wのスローがなくなったのはなかなか痛い変更であり、(進化後の)Qスキルはダメージが下がり、そのトレードオフとして孤立対象に攻撃した時のCDが短くなった。
カジックスは今回のパッチで大きく強化された。それ以外にあまり語ることはない。プレイスタイルは以前とまったく同じものであり、ジャングルの変更とカジックス自身の強化とによって、結果的に強くなったのだと思う。
7. アカリ/Akali
アカリはPassiveが奇妙なものになり、サステイン(自己回復)の多くを失ってしまった。
唯一良いと思うのは、Wスキルで立ち位置を調整できるようになり、壁越えもできるようになったことだ。これはとても面白い仕組みだし、短距離とはいえ機動性が上がるのはとても良いことだ。更にピンクワードでステルスを看破できなくなり、Wスキルの使い方次第で、アカリのチームファイトでの活躍の幅が広がると思う。
しかし、トレードオフとしてアカリは火力を失ってしまった。ULTのベースダメージ、クールダウンともに極端に弱体化されたのだが、ここまでする必要はなかったと思う。総じてアカリは単に弱体化されてしまった。PBEにアカリは強化が入っているように、アカリは今あまり良い状況ではない。PBEの強化が適用されれば、きっとましになるだろう。
8. ゼド/Zed
総じてゼドは単に弱体化されたと思う。ULTの変更はギミック(見せかけの変更)に過ぎない気がする。
ゼドがADCをキル出来る場面では、他のアサシンでも同様にキルを取ることができる。ゼドはADCをキルすることでAD獲得のチャンスが生まれるというのは、ボーナスADが全体から削除されてしまっていることを考えるとボーナスチャンスではないだろう。
全体ボーナスAD削除のかわりに、敵をキルすればADを得て強くなれるチャンスがある。そしてキルを達成する前はあまり強くなく、しかも序盤のEスキルが弱体化されてレーニングが弱くなり、スノーボールしづらくなっている。
そもそもゼドは変更を必要としていなかったと僕は思うのだが、変更の決断がなされて、その内容はあまり良いものではなかった。クールで楽しいミニゲームというよりも、ギミックのような変更が入っただけだと思う。ゼド vs ジンでボーナスADを多く得られるとかの特定の状況を除いて、ゼドへの弱体化であり、僕としてはあまりうれしく思っていない。
僕自身はあまりゼドをプレイしていないし、ゼドについては今後どうなるか見ていきたい。
9. エコー/Ekko
あまりプレイしていないチャンプといえば、僕は今パッチでエコーをまったくプレイしていない。嬉しいことに、エコーをたくさんプレイしている人とよく話す。Shiphturのことで、彼は非常にアクティブなエコーメインだったプレイヤーだ。
APエコーは非常に良くなっているようだ。ULTでの回復量が増えたためだ。他方でPassiveのスローがなくなったのは痛い変更だ。
(Rスキルの経路でWスキルが発動する変更は)悪いものではなくて、Wスキルをうまく使って立ち回ることで大きな活躍ができるようになった。しかし、ほとんどのエコーはWスキルを序盤に使う。Wでイニシエートして敵をキャッチして、ULTは逃げのために温存して、チームファイトの参加時間が増えるというものだ。この立ち回りを考えると、今回の変更は必ずしも役に立つものではない。
もっとWスキルを攻めに使うことで強みが出るというオプションが生まれるのは面白く、チャンピオンにとって好ましい変更だ。ただ、総じてAPエコーにとってはほとんど意味がなくて、現実的にはあまり大きな変更とはならないだろう。
10. シャコ/Shaco
新シャコは、僕も一番よく分かっていないチャンプだ。まわりにシャコメインが何人かいるが、そのうちの1人と話をしただけだ。シャコは強化されたが、Qのステルス変更のために序盤のガンク性能は下がったと聞いている。
今多くのシャコプレイヤーがAPビルドにしている。QにAPレートがつき、ULTでボックスが3つ出現することから、APも選択できるようになったのはすごく面白いことだ。ただ、どのぐらい強いのかについては、もっと多くのゲームを見てみる必要がある。
僕の印象としては、シャコはあいかわらずレイトゲームに上手く移行できないイメージがあるが、Early-MIDでコアとなる活躍ができれば別にレイトゲームで活躍しづらくても良いだろう。
オレリオンソルが良い例で、2アイテム以降はまったくレイトゲームに向けてスケールしないチャンプだ。それでもピックされ続けたのは、Earlyゲームが非常に強いからだ。
※動画の要約は以上です
おわりに
Scarra氏はプロシーンとソロキューと両方の視点を意識されているようで、バランスが良く一般的な考察であると思います。
今回の話をまとめると、アサシンアップデートの中で一番要注目なのがルブランで、次点でタロンとレンガーという話のようです。
ただエントリ化していない動画の後半で語られているのですが、メタとしてはアサシンは微妙で、引き続きメイジやタンクのほうが強いという話です。これは、リデンプションやソラリなどのサポートアイテムがぶっ壊れ性能なことと、イグゾーストがOPすぎてアサシンが簡単に腐ってしまうためとのことです。詳細気になる方は元の動画を参照ください。